「一人暮らしで心配」高齢者の帰宅にパトカー頼む病院
「診察を終えた一人暮らしのお年寄りを、パトカーで自宅まで送ってあげて」。様々な110番通報の中には、病院からのそんな要請もある。
警察はたとえ緊急性がなくても、「帰宅途中に事故が起きてはいけない」とパトカーを出動させているというのだが。
今年2月深夜、東京都内の閑静な住宅街にある警察署は、110番を通じて近隣の病院から、高齢の患者を自宅まで送り届けてほしいと依頼された。不調を訴えて救急車で病院に運ばれたものの、診察結果に異常はなく帰宅してもらうことに。ところが、この患者はタクシー代を持っておらず、一人暮らしで引き取り手もいないという。認知症があることも想定され、同署では「迷子になる可能性もある」と判断し、パトカーを病院に向かわせた。
警視庁によると、最近、お年寄りの引き取りを求める病院の通報が警察署に寄せられるようになった。認知症などの症状がなく、単に引き受け手がいないというだけの理由で、保護を要請するケースも。ここ2年間で十数件の要請を受けた都内の別の警察署は、「保護する必要のないものが大半だが、問題が起きてからでは遅いので、自宅まで送るようにしている」と説明する。病院に出動すれば1時間程度は、本来は事件・事故など緊急事態に対応すべきパトカーが拘束されることになるという。
厚生労働省によると、急病やけがなどで救急車を使わずに病院に行った場合、緊急性があったと認められれば、交通費は国民健康保険などでカバーされる。しかし、治療を終えた後の「帰りの足」については、規定されていない。
交通費用が支払われるのは、条件を満たしている生活保護受給者だけで、ヘルパーによる送迎サービスが受けられるのも、要介護認定者に限られている。
身寄りがなく、タクシー代の持ち合わせもないような一般の高齢患者については、病院側が自主的に自宅まで送り届けたり、タクシー代を貸したりして対応しているのが実情で、こうしたケースに直面した病院の一部が、警察に出動を要請していると見られる。
神奈川県内の私立の大学病院は「病院の管理責任として、困っている患者を自宅に送り届けるようにしている」と話すが、埼玉県内の公立病院の事務長は「救急外来の利用者は急増しており、少ない職員で患者の送迎までは面倒をみられない」と本音を漏らす。
身寄りのない高齢患者の帰宅問題について、同省国民健康保険課の担当者は「国レベルで協議されたことはないと思う」と語り、都内のある区の福祉部門担当者も「福祉と医療の両分野にまたがる課題だが対応する部署はなく、公的な支援も行っていない」と言う。
都内の医療機関に勤める医療ソーシャルワーカーの女性(48)は、「安易にパトカーを患者の『帰宅の足』に利用するのではなく、病院や行政など関係者がこの問題について議論することから始めて欲しい」と訴えている。
最終更新:5月30日14時42分
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【コメント】
そんなことまで,できません.それは個人個人がする問題です.これを全部,行政がやるとしたら,そのコストは膨大になる.消費税を30%くらいにしなくてはいけない.
やってやった分をお金でもらわなくてはいけない.
「何かあったら・・」というが,自分のケツは自分で拭かなくてはいけない.
こんなことにパトカーなんか使っていたら,治安が成り立たないぞ.
似た話をもう一題すると,ゴキブリが出たから取ってくれ,などという依頼が交番に来る事もあるという.警官が行くと,若い男女がゴキブリにおびえ震えている.警官がゴキブリを捕って捨てて一件落着,というのもあるそうだ.しかし,これだけやるにも1時間か1時間半はロスする.その間,市民の治安はどうなるのだ.警察はゴキブリを捕ったり,老人を送り迎えするためにあるのではない.悪人から市民を守るためにあるのである.
病院もそうだけど,警察もどのような事には出動するなど,きちんとしたマニュアルを上で作り,責任を持って現場に指示していく.そのようなことが必要だ.
少なくてもこんな事をしていたらきりがないぞ.