産婦人科医を招聘する方法とその条件
 
今や希少種とも激滅種とも言われるほどに,少なくなった産婦人科医.しかし,我が町には是非必要だ.そう思うなら,もう何でもやってみよう!

 自分の町の病院に,ひとりの産婦人科医を遠くから呼ぶ場合を想定する.産婦人科医は単身赴任になる.また,その病院に産婦人科医はその人一人しかいない,このような状況を想定する.

 尾鷲市立病院で,産婦人科医を年収5000万で来てもらったことがあったが,これは,私は色々な面でへたくそなやり方であったと思います.まず,他の医師との給料格差があまりにもあり過ぎ不満が噴出しました.また,雇ったは良いけれど,1年間に休暇は2日で,病院に部屋を作って泊まり込むという勤務状態で,こんな過酷な勤務状態では,長く続きません.結局,1年で辞職しました.

 私の提唱するやり方は,今までにないまったく新しいやり方です.


ポイント

○4週間働いてもらい,2週間休みとする(6週間働いて3週間休む,と言うパターンも可).
 医師は遠方から来ているものと想定している.そのことを考えなくてはならない.また,小刻みに休まれると,入院患者の管理などで問題が生じるので,このようにまとめて休んでもらうことにした.2週間の休暇前には,病院の入院患者は原則として ゼロになるようにする.

 診ていた患者で休暇期間にお産となる場合もあるであろう.その場合は別の病院に行ってもらうしかない.そのことは,常に張り紙をして患者に説明しておく.カルテの写しも一回一回の診療ごとに患者に渡す.患者には,お産の日が休暇日にあたると困るので別の病院にも同時にかかってもらう.

 このようにすると,文句を言う患者が必ず居る.しかし,産婦人科医はもはや希少である.条件をキチンとしてくれないと,産婦人科医は誰も来ない.そのことを患者に分かってもらう.分からない患者は,他の病院に行ってもらうとよい.

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○給料
 他の医師と同じとする.ここで違うと,文句が出てチームワークが乱れる.

 ただし,お産に対して,報奨金を付ける.1件あたり10万-15万円が望ましいと思う.報奨金という形で報いていくと良い.帝王切開もお産とする.夜に働いた分に関しては,時間外をキチンと支払う.

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○お産制限(一月お産は10件までとして予約を取り,それ以外はお産を受け付けないというやり方)に関しては当たり前だが,産婦人科医に一任する.

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○外来は週に3回.そして,病棟回診,手術,検査を産婦人科医のdutyとする.

A)日常勤務に対する待遇
1)給料(税込みで)
医師職員の給料に準ずる.

ただし,お産1件につき15万円の報奨金を支払う.

2)勤務時間
例えば,月・水・金の午前中を外来とする.また,毎日,病棟を回診する.その他,手術,検査.それ以外はフリーとする.
3)時間外手当
法令に従い,支給.ただし,調べもの,学会の準備での居残りには支払わない.
4)アルバイトの可否
  (研修日)
休暇中は可.
5)当直
4週の勤務期間の中で2度.
B)休暇
6)ゴールデンウィーク
4週働いたら,2週間休む(あるいは,6週働いて3週休む).正月休み,ゴールデンウィーク,学会,有給休暇はこの中で全て消化する.
7)正月休み
8)週末の休み
9)有給休暇
10)学会の扱い
C) 救急外来
11)時間外に病院に診察を求めに来た患者への対応,または,救急外来への対応
外来でかかっている患者の急変,お産には対応する.それ以外の症例に関しては産婦人科医の意向に従う.救急で新規の患者は診ないという方針であればそのようにする.近郊の産科の病院と提携して,産科の救急に対応する日としない日を決めても良い.
D) インストール・フィー
12)引っ越し代
転入にかかる費用は病院が持つ.
13)医師の住宅
病院の方針で.
14)家具
病院の方針で.
15)バンス(前金)
基本的に必要なし.

補足事項

給料の目安:このやり方で,産婦人科医の年収はいくらになるのだろうか.

【お産の報奨金】お産というのは,一人の産婦人科医が,1ヶ月で10-15件程度出来ると言われています.20件以上になるとかなり苦しい勤務となる.この場合,1ヶ月10件のお産があるとすると,報奨金は年額1800万(お産の報奨金を1件15万とする).

【時間外手当支給】また,お産にかかる時間外手当を支給するとなると,1回のお産に説明等も含めて2時間かかるとすると,1回のお産で概算で15000円の時間外手当を払うことになる.年120件として15000x120=180万.その他のものが,また,180万ほどあるとしてみよう

【産婦人科医の年収は】ここの医療職員の年収が1500万円とすると,この産婦人科医の年収は,

 1500万基本年収 + お産の報奨金1800万 + 時間外360万=3660万

  

他の医療機関の産婦人科との連携

 長期休暇を取るこのやり方は,その間の出産や急変をどうするか,ということが問題になる.それは,このシステムを患者に衆知徹底させるのが第一.

 また,休暇の間,他の医療機関にお願いすることになる.このシステムで行う場合,事前に,他の産婦人科のある医療機関に一言入れておくべきであろう.他の医療機関にとっても,そこに産婦人科が開設されると言うことは少なくても自分らの仕事が軽減される事を意味するので,歓迎してくれると思う. 

まともにやっていてもダメ 新しいアイデアで差別化を図り勝負 

 産婦人科は集約化の名の下に,これから,どんどん地域から引き上げが相次ぐであろう.その流れは加速度的に増えていくことは間違いがない.大学の医局は基本的に産婦人科の一人体勢はとらず,3-4人を組ませる方針である.これが集約化である.

 したがって,黙っていては,絶対に産婦人科を新規に開設したり復活させたりすることは,不可能である.つまり,並のやり方ではダメ. 

 ここに示したやり方は,まったく新しい発想である.また,産婦人科医の健康等にも十分留意しているものと確信する.このように,他とは違ったやり方で募集すれば,産婦人科医を採用できるであろう.

 このやり方について,もっと詳しく話を聞きたいという病院関係者の方は,まずは,当方に連絡をお願いします.

 下記にメール下さい.

  FKmedico@excite.co.jp

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