救急をやめた病院のその後

あけましておめでとうございます.今年もよろしくお願い致します.

当ホームページを立ち上げて1年とちょっと.その間にも,医療情勢はどんどん厳しくなっております.ついに,救急車の受け入れ先がなく,救急車の中で死亡するということも,年末に起こりました.今年はこのようなことがどんどん起こるでしょう.若い人,子供にもこのような悲劇が起こるでしょう.それはもう必然です.

 さて,今日の話題は・・・・


 

 日本海側の地方都市にある救急をやめた病院について、この前、お話ししたが、その後の経過について今日、皆さんにご報告したい。

 やはり市民の救急医療に対する要求は根強いものがある。市当局にはかなりそのような救急再開の要望の声が届くらしく、救急再開に関して市当局から病院にも要請があった。

 結局、医局会が開かれたが、医局員らの不満は爆発した。怒号が飛び交ったという。「救急やるんなら勝手にやれ! おれは辞めるぜ」 この病院。今やどこの病院もそうであるが、一人か二人の医師にやめられたら一気に救急どころか病因機能そのものが瓦解する。

 結局、救急再開は取りやめとなったが、ここで改めていくつかのことが分かる。

 

○ 市民にとって、救急医療に対する要求は根強い。

  ただ、救急医療があれば良いか、なくても良いか、と言う選択肢を示されたとしたら、だれでも「あった方が良い」ということを選ぶだろう。

  しかし、このような選択肢を人に示すときには、きちんと条件を示さなければならないだろう。一つは医師に時間外手当を支払わなければならないということ。今までは、ごまかして支払わないで済ませていたが、今後はそのような訳にはいかない。つまり,救急医療を維持しようとすれば,かなりの人件費,光熱費がかかるということである.

 もちろん,金さえ払えばそれでよいというものではない.

 救急医療を強行すれば、疲弊した医師が次から次へと辞めていき、病院自体が機能を喪失する。つまり、昼間も診療ができなくなる。つまり,病院は建ち枯れ状態になる.といって、市立病院を投げてしまう訳にもいかないので、診療はできなくても年間10億くらいかけて、維持しなくてはならない。一度、そのようになったら、他の例(江別や舞鶴の例)を見ても医師が再び集まり病院が復活した例というのはない。つまり、このような状態が半永久的に続くことを覚悟しなければならない。

 と言うのが現実であるから,どちらが良いですか? あくまでも救急利医療をやりますか? それとも、平日、日中のみの診療だけということにしますか?  という風に市民や国民には選択肢を持って行かなくてはならないだろう。

 

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