無理をするな 奥田美加先生・・・

母子医療センターでのお仕事も大変でしょうが,子供といっしょにいる時間も大切にして下され

時間外労働、月90時間超 忍び寄る崩壊の足音

07/01/24  記事:毎日新聞社



 ◇過労で能力低下
 横浜市立大母子医療センターの産科主任、奥田美加さん(40)は、夕方過ぎに病院から自宅へ電話を入れるのが日課だ。小学1年生の長男(7)からは、決まって同じことを聞かれる。「ねえ、今日帰ってくるの?」
 月7-8回当直し、連続36時間勤務や土日の呼び出しは当たり前。自宅で食事中に呼び出され、泣き出しそうな長男を残して出勤することもしばしばだ。奥田さんは「次世代が増えてくれないともう限界」と話す。だが神奈川県で06年春に初期研修を終えた医師600人中、産婦人科医を選んだのは10人だった。


 今月19日午後7時、大阪府立母子保健総合医療センター(和泉市)の産科医、浜中拓郎さん(34)の携帯電話が鳴った。「帝王切開後、出血が止まりません」。応援を求める電話だった。学会で大阪市内にいたため、タクシーでセンターへ。手術は午後11時ごろ終わり、患者の命は救えた。午前1時ごろ帰宅した浜中さんは、朝6時に起きて学会発表の準備をした。同センター産科は常勤医が9人から7人に減り、その分仕事量が増加。当直は月に7-8回ある。


 厚生労働省の調査では、平均的な医師でも月90時間以上は時間外労働をしており、同省の過労死認定基準が目安とする「月80時間の時間外労働」を超えている。


   ■   ■
 「医者なんてろくな職業じゃない」。小児科医を目指し、神奈川県の病院で研修医生活を送る千葉智子さん(25)は高校3年だった99年春、小児科医の父から医師への道を猛反対された。その夏、父は勤務先の病院で飛び降り自殺した。44歳だった。自殺の半年前、小児科部長代理になった。責任は重くなったが、退職や転職で半減した医師の補充もなく、当直日数が増えた。遺書には「経済大国の首都で行われる貧弱な小児医療。医師を続ける気力も体力もありません」とあった。
 智子さんは、医師の労働条件を整備しようと、厚労省の医系技官を目指した。しかし小児科の講義で「小児には発達があり未来があり、病気が治る可能性がある」と聞き、父の思いの原点を感じて心が動いた。
 労災認定を求めて薬剤師の妻、のり子さん(50)が起こした行政訴訟の判決が3月、東京地裁である。のり子さんは「夫のような悲劇が二度と起きない医療現場になってほしい」と訴える。
 一方、大阪高裁では2月、看護師の過労死認定を巡る訴訟の控訴審判決が言い渡される。
 原告は、01年3月にくも膜下出血で亡くなった国立循環器病センター(大阪府吹田市)の看護師、村上優子さん(当時25歳)の遺族。当時、村上さんが友人に送ったメールには「日勤が忙しくて、帰ったのは22時前でした。寝る時間がほとんどなくってそのまま深夜(勤務)に突入。もう始まったときからふらふらでした」とあった。
 1審判決は遺族側敗訴だったが、裁判を支援する会の仲村幸治事務局長は「看護師の職場環境は劣悪。村上さんの例は氷山の一角だ」と訴える。


   ■   ■
 05年秋の米国医師会雑誌に、過労による医師の能力低下を調べた論文が掲載された。週80-90時間働き、夜間の呼び出しもある小児科研修医の注意力などの能力は、週44時間勤務の小児科研修医が飲酒した状態と同じ程度に落ちていた。
 医師不足による過労は、患者の安全も脅かしている。

自分なりに衝撃を受けた記事であったので,当ホームページでも紹介したい.

 横浜市立大母子医療センターの産科主任、奥田美加先生の勤務態勢をこの記事で推測するだけであるが,時間外はおそらく200時間を超えているものと思われます. おそらく奥田美加先生は当直の時にもきっと昼間のようにかなり働 いているのだろうと思います.とすれば,これは当直ではありません.だから,時間外労働として算定しなくてはいけません. 下に,当直の定義を提示しておきます.

当直(宿直) とは
一般的な許可基準は、次のとおりである。
・常態として、ほとんど労働する必要のない勤務で、原則として定時的巡視、電話の収受、非常事態に備えての待機等を目的とするものに限ること

・宿日直手当は、職種毎に、宿日直勤務に就く労働者の賃金の1人1日平均額の3分の1を下回らないこと

・宿日直の回数は、原則として、日直については月1回、宿直については週1回を限度とすること

・宿直については、相当の睡眠設備を設けること

医師,看護師の宿日直勤務については、許可基準の細目が次のとおり定められている。
・通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。すなわち通常の勤務態様が継続している場合は勤務から解放されたとはいえないから、その間は時間外労働として取り扱わなければならないこと

・夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外には、病室の定時巡回、異常患者の医師への報告、あるいは少数の要注意患者の定時検脈、検温等特殊の措置を必要としない軽度の、又は短時問の業務に限ること

・夜間に十分睡眠がとれること


【参考】 A企画ホームページ 各論 A 日常勤務に対する待遇 より (クリック→
http://members3.jcom.home.ne.jp/3729975002/A.html
----------------------------------------------

 この奥田先生の働きぶりはすでに金で解決できる範囲を超えていると思われるが,あえて言えば,まずは,奥田美加先生はきちんと時間外手当を請求すべきだと思います.
 病院がこれで払わないとしたら,病院に馬鹿にされているものと考えて良い.とすれば即刻辞めるのがよろしいかと思います.そのため,横浜市立大母子医療センターの診療体制がどうなろう が,そんなことは一人の医師個人が考えることではありません.


 医療崩壊をもたらしたのは,今更言うまでもないことであるが,政府と厚生省.日本の高くもない医療費を高い高いとどんどん削り,とどめに,研修医制度という愚策を導入して,地域医療どころか都会の医療,日本のすべての医 療を崩壊させてしまいました.このことに関して,政府自民党と厚生労働省はきちんと責任を取るべきだと思います.また,国民はきちんと責任を取らせるべきだと思います. 私はこの政府と厚生労働省がもたらした医療崩壊を,政府の,大東亜戦争(太平洋戦争)以来の大失態であると考えています.


 奥田美加先生はあまり無理なさらないようにと申し上げたい.長男を大切にして下され.人生は短いものだし,子供というものはすぐに大きくなってしまうものです.

 お母さん,お母さんと言って,寄っ てきたり,泣いたりする時期というものはすぐに通り過ぎてしまい,そして永遠に戻っては来ません.

 くれぐれもその様な時間を大切にして下され.仕事はまたいつでも出来ると思います.


神様からの贈りもの・・・

 家族って何なんだ?  子どもって何なんだ?

 雑踏の中で私たちは考えることもなく, 日々をいそがしく過ごしてしまいます.

 しかし,子どもが「おとうさん,おかあさん」と言いながら,愛くるしい笑顔で近寄ってきてくれるのは,小さいうちだけ...ほんの数年間です..

 時は流れ,子どもがひとたび大きくなれば,もう私たちに無邪気なほほえみを見せてはくれません.

 このひとときは,神様がわたしたちに与えてくれた ささやかな贈りもの.

 大切に受け取りたいものです・・・


1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

11

2

3

4

5

6

7

8

9

0

1

inserted by FC2 system