混合診療が始まれば,癌になったら家を売る事になる!
混合診療、全額負担は違法
・東京地裁、がん患者の訴え認める

 保険対象の治療と対象外の治療を併用する「混合診療」に保険を適用せず、患者に全額負担を求める国の制度の是非が争われた訴訟の判決で、東京地裁(定塚誠裁判長)は7日、「国の健康保険法の解釈は誤り」と指摘し、混合診療の原則禁止を違法とする初の判断を示した。


 混合診療をめぐっては、患者の負担軽減のため全面解禁を求める意見の一方、医療の安全性確保などの側面から弊害を指摘する声も根強い。厚生労働省は控訴するとみられるが、判決はこうした議論や医療現場に大きな影響を与えそうだ。(21:47)

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混合診療判決 どう皆保険と折り合い  
平成19年11月9日20


 保険診療と適用外の自由診療を組み合わせた「混合診療」(註1)を、国が原則禁止にしているのは法的に根拠がない。東京地裁がおととい示した判断は、難病や重い慢性病で、少しでも早く改善につながる治療をしたい患者にとっては、高額な自己負担を免れ、前進といえるかもしれない。


 ただ、混合診療を無制限に認めると、経済的余裕のある人だけが受けられる治療が増えて、国民皆保険制度の崩壊を招きかねない。一定の歯止めは不可欠だろう。患者のためにどうするのがベストか、もっと幅広い視点から議論を深めるべきだ。


 原告は六十歳の男性で、二〇〇〇年十二月腎臓がんと診断され、翌年には頭などへ転移していることも判明した。保険適用の薬で当初は治療し、月約七万円を払っていたが、三カ月後に適用外の「自己リンパ球移入療法」も受けることになった、という。


 その自由診療分の費用は月約五十万円。普通に計算すれば計五十七万円となりそうだ(註2)。だが、混合診療の禁止によって、本来の保険適用分まで一体の自由診療とみなされ、七十五万円かかることが分かった、というのだ。患者が補助的治療を望んだだけで、なぜそこまで負担しなければならないのか。素朴な疑問を抱くのは道理だろう。


 問題は、今回の判決が健康保険法の法的解釈ばかりにこだわり、混合診療を認めることによる社会的な影響にまでは踏み込んでいないことだ。


 かつて小泉内閣の規制改革・民間開放推進会議では、医療費削減を図るため混合診療の解禁が打ち出された。自由診療分を増やしていけば国や企業の負担分は減るからだ(註3)。当然ながら、保険証を持っているだけで一定水準の治療が受けられる皆保険制度がなし崩しになっていく懸念が、日本医師会や患者団体などから指摘された。


 一方、海外では使われているのに日本では保険適用でない新薬などの使用を、がん患者らが望む例も増えている(註4)。ただ、その場合も薬の審査をもっと速くできるようにするのが本筋ではないか。


 先進医療や医薬品の治験など一定のケースでは既に保険・自由診療の併用が認められている。緊急に補助的な医療を加えるのが必要だと医師が判断したケースに限り、患者の自己責任で認めるなど、個別に柔軟な運用も考える必要があるのではないだろうか。

【コメント】

混合診療がなぜダメなのか.上記のニュースに(註)をつけたので,それを解説しながら語ってみたい.

 まず,私としては,医師というより,国民の一人として,混合診療には大反対である.混合診療が解禁されれば,癌になれば私はきっと家を売らなければならなくなるだろう.再発すれば,その時は破産することになる.故に反対する.そのことについても説明しよう.

註1:混合診療とは・・・

 混合診療とは,保険診療と適用外の自由診療を組み合わせて行う事である.たとえば,この患者さんのように,癌の治療をしていて,保険で認められない薬を実費で病院から買うとか,どこから買ってきて使うというのが混合診療になる.

 あと,いろいろある.体調が優れないから外来で点滴治療を受けている人が,医師から,保険治療薬でない「サルの腰掛け」とか「アガリスク」とか「マカ」とかそのようなものを処方され,その分を実費で支払う,というのも混合診療である.

 混合診療は禁止されている.

 混合診療とは? 参考資料 医師会のホームページ http://www.med.or.jp/nichikara/kongouqa/index.html

註2:健康保険診療のみの場合,混合診療をした場合,健康保険を一切使わない自由診療の場合 の 医療費の差

その自由診療分の費用は月約50万円。普通に計算すれば計57万円となりそうだ(註2)。だが、混合診療の禁止によって、本来の保険適用分まで一体の自由診療とみなされ、75万円かかることが分かった、というのだ。患者が補助的治療を望んだだけで、なぜそこまで負担しなければならないのか。素朴な疑問を抱くのは道理だろう。

 この患者さんが受けた「自己リンパ球移入療法」は,保険適応の治療ではなかった.

 この人は,当初,保険治療で行っており,その費用が25万だったのだろう.患者さんは60歳であるから3割負担とすると,負担は75000円.今の保険診療では1ヶ月7万以上かかるとそれ以上のお金は払い戻しが受けられるので,この人は月に7万で治療を受けていたことになる.

 そして,ある時から,保険外治療である「自己リンパ球移入療法」を受ける事になった.この治療は自由診療で,保険は効かないので全額患者持ちである.月に50万かかるという事なのだろう.

 保険部分と自由診療を組み合わせ,混合診療ということで費用を計算すると

  50万 + 7万 = 57万 ということになる.

 ところで,混合診療は認めないので全額自己負担で行うとなると

  50万 + 25万 = 75万 ということになる.

 ここまで,ご理解頂けたであろうか.混合診療の考えの方が筋が通っているし,安く済むから良いのではないか,と考えられた方も居るだろう.また,混合診療を認めないなんて,ずいぶんかたくなだなあ,もっと融通を利かすべきではないか,と考えられた御仁もきっといらっしゃる事だろう.だから私は説明を続ける.

 註3:小泉内閣時代,混合診療解禁の一歩手前まで来ていた(この章が混合診療の肝である 熟読されたい)

かつて小泉内閣の規制改革・民間開放推進会議では、医療費削減を図るため混合診療の解禁が打ち出された。自由診療分を増やしていけば国や企業の負担分は減るからだ(註3)

 なんでも規制緩和の小泉政権.混合診療解禁に向けても,オリックスの社長の宮内氏が率いる規制改革・民間開放推進会議を中心に,混合診療まっしぐらという状況だったのが2004年.

 オリックスはつまるところ保険会社.混合診療というものを保険会社の立場から視ると,これはビッグチャンスなのである.自由診療分に対する保険を作れば,その様な保険を販売出来る.アメリカの保険会社もこのビッグチャンスに沸き立った.日本人は実は保険好きで,故に,日本は保険大国なのである.また,アメリカは国民保険などがないので,すべて保険会社が医療保険をやっている.このような医療保険に関して,アメリカの保険会社は豊富なデータとノウハウを持っている.まさに,「よだれもの」である.

 当時,小泉政権は郵政民営化には関心は高かったが,混合診療に対してはそんなに関心が高くなかったし,小泉元総理自身,「混合診療がなぜダメなんだ.なぜ,金持ちだけの医療になるんだ?」と側近にのんびりと聞いていたくらいだ.

 しかし,オリックスの宮内氏は違った.彼と彼ら保険会社の一味は,混合診療解禁に向けて狂奔していた.彼は着々と手を打っていたのである.彼は恐ろしい事を言った.「一度,混合診療になったものを健康保険の対象に入れてはならない」というのだ.

 国民の方からすれば,これこそが,おかしな話である.今の時点で保険で認められていない治療や薬でも非常に良い効果があると周知されれば,それは保険で積極的に認めていくべきではないだろうか.それが当たり前の考え方である.しかし,保険屋の宮内は,そうは考えていなかった.保険屋の立場からすると,それでは保険を作ることが出来ないではないか.「これは国民健康保健でカバー.しかし,この治療とこの治療と・・・はカバーされていない.これをカバーするのが,我が社のこの保険ですよ」という感じで保険は販売される.

 それがある時,国民健康保険外のものが,次から次へと国民健康保険に組み入れられていったら,だれも自分たちの保険を買ってくれないではないか.

 今,このように考えると,宮内はとんでもない奴だ! ということが簡単にお分かりいただけるだろうが,混合診療の議論というのは実に難しいし,政府内の一挙一動に着目し,かなり継続的に研究しないと分からない.そしてこのようなことというのは往々にして,一つの文言が重要な意味を持っていたりする.したがって,この文言の罠を分かっていたのは,実は,当時,医師会くらいだったのである.

 結局,医師会とそれに動かされた厚生労働省の大反対により,この混合診療という話は,「その時まで差額ベッドなど一部のものにしか認めていなかった特定療養(特定療養に認められた治療に関しては例外的に混合診療が認められる.ただ,施設基準などが厳しく定められていて,どこの病院でもやれるというものではない)の枠をひろげる.また,新治療,新薬の国民健康保険適応をスピードアップする」ということで,決着した.

 当時の宮内氏.大きく思惑がはずれ,結局これでは自分の会社の保険を組む事は出来ない.「国民の治療の選択の幅が広がった」と負け惜しみを言うのが関の山であった.

 私は一応医師会のあまり熱心ではない末端会員であるが,このことに関して,医師会は国民にとって大きな貢献をしたと特筆大書して良いと思っている.

 混合診療におけるいくつかのポイントをまとめよう.

 ●政府の「混合診療」推進の目的は医療費の削減である.だから,一度,混合診療が解禁されたら,新しい薬,新しい治療技術は一切,国民健康保険の対象にはならないことを覚悟すべきである.実際に,20年ほど前に歯科分野では混合診療が解禁されているが,この20年間の間に国民健康保険に新しく組み入れられてた医療技術や薬はゼロである.

 ちなみに,ここ20年間で,出現した新しい主な医療技術を挙げてみると・・・

   MRI  内視鏡を用いた胆嚢摘出術  尿管結石の超音波破砕術  脳血管閉塞や心臓の冠動脈閉塞の治療のため,カテーテルを用いてコイルを挿入し,血管を広げる方法  肩・肘・手関節の関節鏡視下手術  など.

 これらに保険がきかないとしたら・・・・

 記事にあるように

保険証を持っているだけで一定水準の治療が受けられる皆保険制度がなし崩しになっていく懸念が、日本医師会や患者団体などから指摘された。

 当然,なし崩し的になる.

 ●保険会社はこの混合診療解禁を千載一遇のチャンスと待っている.どうやら,国民健康保険外なら何でも混合診療という事にはならないようだ.「混合診療」に該当するものを挙げていくことになりそうだ.そしたら,その「混合診療」に入っているものの中で,きわめて有用で広く普及しつつあるものを国民健康保健の対象に組み入れていけばよい,という自然な考え方があるが,そうはいかないだろう.保険会社は自分のところで保険を組むために,宮内氏のやろうとしたように,「一度,混合診療になったものを健康保険の対象に入れてはならない」というように全力を挙げてしようとするだろう.この点,医療費をなんとしても減らしたい政府の思惑と合致しているし,歯科での前歴もある.我々一般国民としては「甘いこと」は考えない方がよいだろう.

 ●「甘いこと」と言えば,現在,すでにそのような体制にはなっている.つまり,国民健康保健の対象にならなくても有用と考えられるものは特定療養という枠で見ていて,この中で有用なものを,随時,国民健康保健の対象にしていくという制度はすでにあるのである.「混合診療を解禁しよう」という動きは,どこかうさん臭いものがあると考えてかかった方がよい.

註4)海外では使われているのに日本で承認されていない薬がある?

一方、海外では使われているのに日本では保険適用でない新薬などの使用を、がん患者らが望む例も増えている

 世界は広い.日本でも世界中で新薬の開発は精力的に進められている.ことばを変えて言えば,雨タケノコのように,いろいろな薬が出されそれが試され実際に使われている.そして,その現場で臨床研究,基礎研究を行っている学者はその薬の効果を信じているものだ.その人達の話を実際に聞くと,「何で日本では使わないのだろう」と憤りを感じるくらいである.

 筆者も実際に,アメリカの研究室に留学し骨粗鬆症の臨床と研究をしたことがある.この研究室では,フッ素による骨粗鬆症治療をメインテーマにやっていた.「フッ素入りの歯磨き粉で歯を磨くと丈夫になる」ということは広く知られているし,実際,そのような歯磨き粉も販売されている.また,フッ素を飲むと骨が丈夫になることも知られている.

 その研究室と大学病院では,骨粗鬆症に対して実際,フッ素を処方して治療していた.そのような研究室にいると,そのような話が中心になって進むし,フッ素も非常に有効だ,というデータもそれなりに出そろっている. すると「日本ではなぜフッ素を使って治療をしないのだろう,なぜ,フッ素が保険治療薬として認められていないのであろう」と本当に思った.

 結局,いろいろと研究を繰り返していくと,フッ素は確かに骨量を増やすのであるが,どうもfrozen bone,つまり「つらら」のような堅いがもろく折れやすい骨になる事があり(特に長管骨で),骨折を誘起しやすくなる危険性があるということで,消えつつある.このような結論に達するのに,ゆうに20年くらいかかったようだ.

 このように,一つの薬のプロジェクトが実を結び,認められるには,長い年月がかかる.また,逆に長い年月をかけて認められなかった,というケースも認められたケースも何十倍,何百倍もある.海外で使われている薬が,必ずしも正しい訳ではないし,日本の医療レベルが海外より遅れているわけではない.

 この患者の行っていた,「自己リンパ球移入療法」.これは,特定療養の中にも入っていない.このようなものを勝手にやって,「混合診療で認めよ」というのは非常に乱暴な話である.国民健康保健も,あるいは,仮に,混合診療解禁が行われたとして,保険会社が作る医療保険も,保険で認められる技術やその適応疾患について決められている.そのようなこれは契約なのである.結ばれた契約に対して,文句を言って裁判をする.かなり乱暴である.


まとめの章:混合診療が始まれば,なぜ,癌になったら家を売る事になるのか?

 ここまで,話について来られた方には,今後の話は実に簡単に分かるであろう.そうでなければ私の説明の仕方がきっと悪いのであろう.その場合にはご意見を頂戴したいと切に思っている.

 さて,癌にかかったとして,ある有効な新薬があるが,もちろん,保険外であったとしよう.その薬を1日一錠内服することになったとしよう.それを5年間飲まなくてはならないと仮定しよう.

 薬代だけ考えると・・・

 その薬が一錠1000円であったらどうなるか.

  1ヶ月 1000円 × 30日 = 3万円  1年で36万円  5年間で180万円

 ふーーむ これなら何とかなりそうじゃないか.

 しかし,忘れないで欲しい.この場合,薬の値段は製薬メーカーの一存で決まると言うことを.

 薬は特許で守られているし,そうなると新薬を開発したメーカーのもちろん独壇場となる.できるだけ高い値段を付けるのが,資本主義社会で生きるメーカーの本能である.メーカーに優しいこと,甘いことを期待すべきではないだろう.

 仮に,一錠1万円としたら,5年で1800万かかるし,一錠2万円とすれば,3600万.

 ほら,癌になったら家がなくなってしまったではないか.自分が癌になって3000万.家族が癌や重い病気になって3000万.ほら,破産した・・・・

 それを回避するために,民間の医療保険があるではないか,と言う話になる.それこそが,オリックスの宮内氏や国内,海外の保険会社が望んでいたこと.

 当たり前だけど,それに見合った,ばか高い保険になることは間違いない.

 若い人なら保険料も安く済むだろうが,40歳をこえるときっと,スゴイ高いものになるだろうな.どのみち,20年か30年払い続けると,家の一軒や二軒建てられるくらいの保険料を支払うことになることは間違いがない.


追加:民間の医療保険に入っていれば,いざ病気になった時に,お金は払って貰えるのか.

 お金を払わないのが保険会社の仕事であると言うことを忘れてはいけない.おめでたい考えはこの際捨てて貰いたい.民間医療保険先進国アメリカの事例が豊富に載っているホームページがあるので,ご紹介する.それを参考にされたい.混合診療が解禁された時に,我々の身に降りかかる話である.

 患者残酷物語 http://www.asahi-net.or.jp/~rp8i-fkm/managedcare.html

 自動車の修理でも,たとえば交通事故の場合,どのくらい修理するか,保険会社の許可を得てから修理しなくてはならないそうです.混合診療が解禁され,保険会社の民間の医療保険が出てくれば,この自動車修理と同じことになります. 治療の内容は保険会社の承諾を得てから.「患者残酷物語」にもたくさん書いてありますが,それはかなり厳しいものになります.


追加:混合診療が解禁されれば医者は儲かるのか?

 勤務医の中に混合診療解禁を望む声が意外と多いらしい.とんでもない勘違いをしているのではないかと私は思う.はっきり言って,混合診療が解禁になれば,その主役というかもっとも利益を得るものは政府や保険会社であるが,医者は彼らと同床異夢なのである.

 勤務医の意見はこのようなものだ「おれは患者を沢山診て,症例を沢山つんでいる.この手の手術をオレにやらしてみろ.並の医者よりずっと上手いぞ.なにしろ,オレは,○○科の専門医だし,その中の○○の分野の専門医も持っているぞ.症例だって沢山こなしているし,学会発表だってかなりやっているよ・・・医局の奴に聞いてみろ」

 気持ちはすごく分かる.なぜなら,以前,私自身がこのように切に思っていたからである.

 しかし,このことが認められ,そして,実際にその医者の懐に金が入ってくるまで,幾重もの障害がある.

1)まず,その手の混合診療自体が認められるかどうか,というのがある.先も述べたが混合診療は混合診療できっとその枠が決められることになるだろう.少なくても,その医者がおれはスゴイ人だから,手術料は20万円を混合診療で余分に払え,ということは言えないだろう.

2)仮にその様なことが,混合診療のシステムの中で認められたとしよう.しかし,勤務医である以上,このようなことを勝手にするわけにはいかない.病院の承認を得なければならない.

 プライベートは病院であれば,院長の決裁でどうにでもなることかもしれないが,院長や病院管理者はどう言うであろう.あなたの思い通りになるだろうか.それは分からないことであろう.

 公的病院であればどうだろうか.あらゆる点に及び腰の公的病院がその様な大胆なことが出来るだろうか.不払いも野放しだし,入院して暴れ回っている患者にも,「患者の権利がどうのこうの・・・」と言い,遠目で見ているだけで何も出来ない,何もしない,のが公的病院の体質ではないか.そのようなものに,期待する方がどうかしている.

3)仮にあなたの経験と症例の豊富さを認め,そのような手術費を定めても・・・である.そのお金があなたの所にくるのだろうか.「カネはおいらのところに来るに決まっているさ.貰えるに決まっているさ」と言えるほど,私は楽観的にもできていない・・・

4)混合診療が解禁されれば,一瞬にして民間保険が拡がり,高い高いと言いつつも多くの人が高い保険を買うことになる.そして保険会社と病院が契約を結ぶことになるだろう.そしたら,今の国民健康保険と同様に,その保険の枠内で治療することになる.少なくても「おれはスゴイ人だから,手術料は並の医者の2倍だよ」というような愉快な意見が通るようには思えない.

5)今の勤務医,特に,救急をやっている公的病院の勤務医の最大の問題点は,労働基準法で定められている,時間外手当も,休みも,まるっきり貰えていない.

 そのような状況で,はっきりとしない混合診療でのあがりを期待するというのはかなり飛躍しすぎではないだろうか.

                           ゴルゴ13 演出国家 より


 結論:混合診療で,ぼろ儲けをするのは,保険会社と製薬メーカー(の幹部と大株主のみ).あと,社会保障費を大幅に削ることに成功する政府や官僚.そのお礼に,保険会社や製薬メーカーに美味しい天下り先を確保することになるだろう.

 医者はまるで儲かりません! 勘違いしてはダメ.この勘違いは命取りになります.

 国民は大損.家を売ることになります.

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